ラジオにメールを送ってみよう!メールの書き方・ネタ作りのヒント・採用されない時の考え方
ポンチョマンというラジオネームで主にお笑いラジオ番組に5年ほど投稿している者です。
私が初めてラジオにメールが採用されたのが、KBS京都という関西ローカルでやっていた『銀シャリの炊きたてふっくラジオ』という番組です。
「この番組、3通しかメール来てないねん」
と嘆いていたことがありました。
それなら自分が送っても採用されるかもな〜と軽い気持ちでメールを送ってみると、なんとその一発目のメールが採用されたんです。
本当に自分の書いたメールが届いていたんだ、しかも自分が好きな芸人さんがそれを読んでくれている。
メールが読まれた瞬間から心臓がバクバクし、飛び上がるように嬉しかったことを覚えています。
そこから投稿にのめり込むようになったのですが、ラジオ投稿って誰が教えてくれるわけでもないので最初はかなり手探りでした。
実際に今でもメールの送り方がわからず困っている人をよく見かけますし、こんな自分にも教えてほしいと言ってくれる方が定期的に現れます。
そこで今回は私がこれまでにラジオ投稿で得た知識をできるだけ伝えていきたいと思います。
もちろん、この通りにすれば絶対に採用されるといったものではありません。
正直、いまだによくわかっていないこともあります。
一例としてこんな送り方があるんだなと参考していただけたら幸いです。
目次
メールの書き方について
コーナーメールの送り方を例に説明していきます。
まずメールを開きましょう。
文中に
住んでいる都道府県・市区町村(省略可)
ラジオネーム
※以下、ノベルティ不要であれば省略可
郵便番号
住所
本名
電話番号
と書き込みましょう。
番組、コーナーによっては都道府県・市区町村を読み上げない場合もありますので、都度省略して下さい。
わたしは、ラジオネームを省略してR Nと表記しています。
そしてラジオネーム以下に本文を打ち込んでいきます。
ラジオネームを本文下に表記するか本文上に表記するかは人によって意見が別れます。
私はパーソナリティが読む順番で表記したほうが読みやすいと思うので、このように表記しています。
ですが『オードリーのオールナイトニッポン』や『菅田将暉のオールナイトニッポン』など、番組のホームページの記入例でラジオネームを下に表記している場合があります。
まずは自分が送りたい番組のホームページを確認し、記入例があればそれに従いましょう。
ただしホームページがない場合もあります。その際は上記の記入の仕方でいいと思います。
そして必須なのが件名。
ここに表記がないと、メールの選定をするスタッフの手を煩わせてしまうことになります。
件名はホームページのコーナー紹介に書いてあるか、放送中にパーソナリティがアナウンスするのでそれをそのまま表記しましょう。
ホームページもアナウンスもない場合は判別できる適当な件名を表記すればOKです。
まとめますと上から、
都道府県・市区町村(省略可)
RNラジオネーム
本文
※以下、ノベルティ不要なら省略可
郵便番号
住所
指名
電話番号
です。
実際の入力画面だとこんな感じ
そして私が実際に『霜降り明星のオールナイトニッポン0』の野党のコーナーに送る時はこんな感じです。
モザイク部分はガッツリ個人情報なので伏せました。
例えば『むかいの喋り方』のラジつく*2に送る時はこんな感じです
基本的にメールフォームには件名を記入する欄がないので本文の前にカッコ書きで表記しています。
後はフォームに従って個人情報を記入するだけです。
コーナーの締め切りについて
コーナーの締切ですが、これに関しては結構あいまいで、番組側もわざわざアナウンスしないことが多いです。
私は生放送であれば放送の12時間前までに、収録放送であれば収録日の前日24時までに送るようにしています。
録音放送の場合、収録日は番組によってタイミングはまちまちなのでSNS等を注意深くチェックしてください。
期日に間に合わなかったという場合でもコーナーメールは一週間遅れで読まれることもあるのであまり深く考えなくてもいいかもしれません。
メールの種類について
コーナーメール以外にも
『ふつおた』
『テーマメール』
『リアクションメール』
というものがあります。
ひとつひとつ私が実際に採用されたメールを例に解説していきます。
『ふつおた』
ふつおた(普通のお便り)は基本的に番組放送前に送るメールです。
広く番組全体の感想や気付きなどを書きます。
番組の趣旨に沿っていれば、生放送が始まる直前に送っても読まれます。
件名には『ふつおた』と表記します。
番組主催でリスナーが集まってライブビューイングをしたのですが、それに参加した感想を送りました。
長すぎると読みづらいので、私はだいたい5段落までに収めるようにしています。
『テーマメール』
テーマメールは基本的にリアルタイムで送るメールです。
番組冒頭にパーソナリティが発表する、その回の指針になるメールです。
(テーマメールのない番組もあります。また、録音で事前募集することもあります。)
発表後に件名に、『テーマ』と書いて趣旨に沿ったメールを送ります。
例えばこれはSBSラジオでアルコ&ピースの酒井さんがパーソナリティを務める『チョコレートナナナナイト』という番組に送ったテーマメールです。
番組で紹介された飲食店に行った話などを絡めたり、パーソナリティの口調に文章を寄せたりなどの工夫をしてみました。
実体験の失敗エピソードはいいネタになるので、自分の中にストックしておくと良いでしょう。
『リアクションメール』
最後にリアクションメールです。
こちらも基本的にリアルタイムで送るメールです。
これは番組中にパーソナリティが話したことに対するリアクションを送ります。
簡単に言えば、番組のそれまでの振り返り・感想などです。
これも特に『リアクション』と件名に必ず書かなければいけないということはなく、『〜について』『〜に関して』『〜の感想』など、内容がわかる件名なら大丈夫です。
例えばこちらは『クリーピーナッツのオールナイトニッポン0』にリアタイして送ったリアクションメールです。
合間に立ち寄った中華レストランで地元のヤンキーが店員に食べ残した料理をテイクアウトさせてくれと無茶を言っていたといった内容でした。
こういった成り済ましはリアクションメールでよく使われる手法です。
それまでのトークの流れをしっかりと理解し、踏襲しながら送るので結構難易度は高めかもしれません。
もう一つの例が、『霜降り明星のオールナイトニッポン0』に送ったリアクションメールです。
自分は二郎に関する知識に明るかったのでその勘違いを訂正する意味で送りました。
何の面白味もないですがパーソナリティがトークしている内容をそれに詳しいリスナーが教えてあげるというのもリアクションメールの大事な要素の一つです。
ラジオ投稿のタブー
ラジオ投稿にはタブーが存在するのでそれを2つ紹介します。
・同じ内容のメールを何度も送る
少し考えれば分かりますが、選ぶスタッフからしたら同じメールが何通も届いていたら良い気分はしないはずです。
最悪これで出禁を食らうこともあります。
しかしメールを送った後に誤字に気付いてしまった、あそこの部分だけ少し変えたいということもあると思います。
私はそういった場合、件名の後に(改)と書いて送っています。
それで採用になったこともあります。
できればしっかり送る前にチェックして避けたいところですが、全く同じ内容にならなければOKかと思います。
・同じネタを他の番組で使いまわす
これも考えれば分かりますが、いくら自信のあるネタでも同じ内容のものが同時に複数番組で読まれることはまずいです。
ただし送ったものが不採用になった場合、しばらく経った後に表現を変えて他の番組に送ることは私もよくあります。
以上がラジオにメールを送る上で思いつく限りの必要な知識です。
ここまでの内容で十分投稿を開始できると思います。
ここからはもっと踏み込んだ内容になるので興味あれば読んでください。
ネタメールを考えるヒント
これは人によって様々あるでしょうが私は映画やドラマや漫画を見ているときや、外を歩いたり自転車に乗っているときに見聞きしたものから思いつくことが多いです。
そこで何をしているのかというと、それは『あるある』探しです。
私はあるあるは全てのネタの王様だと思っています。誰もが共感できて笑いに繋がりやすく、あるあるという常識にズラシを加えることでボケにも生まれ変わる。
もちろんあるあるそのものがネタとして面白いのでそのまま使えるコーナーもありますし、それを応用して他のコーナーにも使うできます。
例えば『霜降り明星のオールナイトニッポン0』の野党*3に送ったこちらのメール。
トルコアイス屋ってなかなかアイスを客に渡さないよな〜というあるあるからスタートして、店員が他のシチュエーションでアイスではない何かを渡そうとするズラシをしたら面白いんじゃないかなと発想してできたネタです。
あるあるは長文ネタにも応用できます。
こちらは『アルコ&ピースDCガレージ 』のLIFE*4に送ったメールです。
ナンパ男が女の子を自分の部屋に呼ぶために動物をダシに使うっていうあるあるからスタートして、それをだんだん変なものにズラしていくといった感じです。
短文と基本的にやっていることは変わりません。
こんな感じであるあるは色んなところで使えます。
まずはあるあるを探して、それがどこかのコーナーに振れないかを考えていきます。
そしてあるあるをズラしながら番組が好む言い回しにしたり、多用される芸能人を登場させたりして文章を固めていきます。
もちろんあるあるに当てはめられないネタコーナーも色々ありますが、何から考えたらいいか分からないっていう方は日常に落ちているあるあるを探してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
そして何よりも大事なのが毎週コンスタントにメールを送ること。
そうすることで日常生活に何かネタに使えそうなものが落ちていないかアンテナを張る脳になっていきます。
コンビニで飲み物を買うときに、ふとそういや最近600mlペットボトル多いなと感じて思いついたものです。
こういった単純な日常の気付きもネタになったりします。
私自身、投稿を始めてからなんとか一通も送らない週を作らずにこれましたが全く何も考えない期間が続いたらアイディアも出てきづらくなっていくと思います。
不採用続きでもめげずに送り続けることがネタの発想に繋がっていくのだと思います。
文章を書く上で気をつけるポイント
私が長文メールを送る上で心がけているチェックポイントがいくつかあるので紹介します。
簡単な国語の話で当たり前なことばかりです。
・二重表現は避ける
例.×逆に逆手にとって ⚪︎逆手にとって
違和感が出てしまい、その後の内容が入ってきません。
・一文に同じ単語は二つ使わない
例.×動物園に行って動物園の猿をみた ⚪︎動物園の猿をみた
この例は極端ですが同じ単語が続くとくどくなってしまうので2つ目はなくしたり類義語に置き換えたりしています。
・一文に読点は多用しない
文章の間に挟む『、』を多用すると意味通りづらい長い文章になってしまいがちです。
多くても2つまでかなと思います。
それ以上になりそうなら句点『。』で二つの文章に分けた方が分かりやすいと思います。
・『の』は多用しない
名詞を『の』で繋ぎすぎると分かりづらい文章になってしまいます。
例.×赤坂のTBSラジオの場末のスタッフ ⚪︎赤坂にあるTBSラジオの場末スタッフ
・『て』は多用しない
『の』と同様に動詞を『て』で繋ぎすぎると分かりづらい文章になってしまいます。
以上のことを気をつけてから文章がスッキリしたように感じます。
基本的に周りくどい長い文章になってしまわないように、削れるところは削ってできるだけシンプルにするように心がけています。
メールが全然採用されないときの考え方
メールを投稿する上で必ずぶち当たるのが自分が採用されず、他の採用者に嫉妬するというシーンです。
私もそうだったのでよく分かるのですが、自分の投稿の方が全然いいのにと恥ずかしげもなく思ったりしていました。
これは危険信号です。
なぜなら負の感情で番組を楽しめていないからです。
楽しむために始めたことなのにこれでは本末転倒です。
採用者のネタを認めて楽しめていないし、面白がれていないから番組が求めている傾向を掴むことができず、さらに採用から遠のいていくでしょう。
こういったときは我が我がと自分にベクトルが向きすぎている状態です。
TBSラジオプロデューサーの宮嵜さんが以前こういうツイートをしていました。
自分も投稿を初めてその中毒性から前のめりになりすぎて不採用になっては落ち込み、ラジオ自体が嫌いになりかけていた時期がありました。
投稿はあくまでもラジオを楽しむためのスパイスで、それが多くなりすぎるとメインが台無しになります。
自分に向いていたベクトルを番組側に向けてみましょう。
リスナーみんなで番組を盛り上げるためにメールを送り、アイディアを持ち寄る。
自分が不採用ということは、それ以上に番組を盛り上げるに適したメールを他の人が送っていたということです。
その番組が本当に好きならこれは喜ばしいことではないでしょうか。
逆にヘタに採用されて恥を描かなくてよかったと思うことさえあります。
良いネタだけ選ばれて、面白い部分しか見えないというのも投稿のいいところだと思います。
不採用でも無駄ではありません。
番組からしたらアイディアがたくさんあった方がその分メールの質も上がります。
投稿はたまに返事があるファンレターだと思ってどんどん番組に貢献していきましょう。
’’読まれたらラッキー’’
くらいな感覚でメールを送る方がいいんじゃないかなと思います。
期待値が低ければそれほど採用されたときの喜びも大きいですしね。
メールの採用数を競う番組もあるのでそこに投稿している方はそれも難しいかもしれませんが。
私のオススメはローカル番組含めて色々な番組のコーナーに送ってみることです。
そうすると自分が何を送ったのかさえ忘れて執着心が分散されますし、単純に採用率が上がります。
採用の数が増えてくると読まれたという経験が確実に自信になっていきます。
個人的に忘れた頃に読まれて嬉しいって感覚が一番の理想です。
それと一回不採用になったからといって諦めるのは早いかもしれません。
例えばこれは『霜降り明星のオールナイトニッポン0』のピリオドチャンピオン*6に送ったメールです。
このネタは一度、前半部分を『海賊の返事チャンピオンはこちら』と書いて不採用になったネタです。
それをしばらくたって少し表現を変えて採用されました。
私は不採用になってもメールはしばらく残しておいて、たまったら見返して再利用できるもんはないかなとチェックをしています。
長文コーナーの不採用メールも内容はそのままで、文量を削ってシンプルにしたものを送採用されたこともあります。
あなたが送った不採用メールの中にももしかしたら宝物が埋まっているかもしれません。
さいごに
ラジオはそのパーソナリティを好きになるメディアだと言われています。
そして個人的にラジオ投稿はその人のことをさらに好きになるコンテンツだと思っています。
パーソナリティーが自分の考えたアイディアを褒めてくれたこと、自分のラジオネームを覚えていてくれたこと、情けない自分のエピソードを笑いに昇華してくれたこと全てが私の糧になっています。
社会に出るとなかなか普段の生活で目標が持ちづらいですが、ラジオ投稿はそれを与えてくれます。
あのコーナーで読まれたいというモチベーションが日常にハリを作ってくれているように感じます。
そしてメールが採用されて自分のおもしろが好きなパーソナリティーによって拡声されたとき、自分にスポットライトが当てられた感覚になるんです。
ラジオ投稿は、何者でもない自分がその瞬間だけスターになれる場所だと思っています。
この記事をきっかけにそんなスターが1人でも生まれてくれたらとても嬉しいです。
おまけ
メールを送るのに役立つiPhoneの設定を紹介します。
iPhoneにはラジオにメールを送る上で便利な『署名』という機能があります。
まずは設定からメールを選択します。
そして下の方にある署名をタップします。
『アカウントごと』と『すべてのアカウント』とあります。
番組によってメールアドレスを変えたい、ラジオネームを変えたいということもあると思います。
『アカウントごと』にすると例えばGメール、iCloudメールと使い分けられて便利なので私はこっちにしています。
別に使い分ける必要はない、全て統一したいという方は『すべてのアカウント』を選択してください。
そこに固定しておきたい文章を書き込んでおきます。
そして書き込んだらデフォルトで入っているメールアプリを開きます。
右下のメール作成をタップ。
差出人をタップすると登録しているメールアカウントが表示されるので、送りたいアカウントをスクロールして選択します。
私はGメールで署名登録しているので、Gメールアカウントを選択します。
するとこのように自動で署名に記載した内容が打ち込まれます。
毎回共通して書き込むことを省略できるのでとても便利です。
テーマ・リアクションメールなどの迅速さを要するメールにはかなり役立つと思います。
そしてもう一つ、ネタメールを送るのに便利な機能が下書き機能です。
メールに本文を打った状態で、左上のキャンセルを押してみて下さい。
するとこのように下書きを削除、下書きを保存と表示が出ます。
保存を押し、下書きへいくとこのように下書きをストックすることができます。
ちょっと思いついたアイデアはとりあえず下書きに保存して、思いつく度に加筆修正をしていく方法を私はよく使っています。
加筆修正をして、それでもまだ納得いかなかったら何回でも下書きを保存を押して更新していきましょう。
そして最終的に仕上がったら右上の送信を押して送ります。
メモ代わりに使うことができるので、個人的にとても重宝している機能です。
iPhoneユーザーの方はよかったら使ってみてください。
*1:週替わりで粗品、せいやが出すお題に沿ってリスナーがそれにこたえるコーナー
*2:向井のラジオ局ができたとしたら各時間帯にどんな番組が放送されているのか番組表を作成するコーナー
*3:ボケとツッコミをセットに送るコーナー
*4:ラジオの前のあなたが今までどんな人生を歩んできたのか、これからどんな人生を過ごしていきたいのか、そんなLIFEな話を送ってもらっているコーナー
*5:警戒心の強いLOSTの主人公ジャックシェパードがドラマが終わって10年経った今、何に気をつけているのかを送るコーナー
*6:2019年春に開催されたTBSオールスター感謝祭でピリオドチャンピオンに輝いた粗品が様々な分野のチャンピオンを発表するコーナー