夜明けのポンチョマン

さすらいさすらってながれてながされて

オレのことを悪く言ってもオレの服装のことは悪く言うな

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わたしは服が大好きだ。

 

 

 

わたしが自分で最初に服を買った記憶は遠く遡ること中3のとき。

 

 

 

いとこの家に遊びにいくため、その日は伯母と一緒に上京をしていました。

 

 

 

そのときは正月を少し過ぎた頃で、わたしの財布はほくほくでした。

 

 

 

伯母と一緒に原宿を歩いていると

 

 

 

LEVIS

 

 

 

と書かれた赤い看板が目に入ってきました。

 

 

 

あれがかの有名なリーバイスか・・

 

 

 

わたしは伯母に懇願し、店内にはいってジーパンを物色していました。

 

 

 

するとガラスケースに展示され、他の商品とは一線を画したジーパンが目に入り込んできました。

 

 

 

なにこれめっちゃかっこいい・・・

 

 

 

店員がこれは対戦モデルのレプリカでーきちんとタブも当時を忠実に再現していてビックEでーなんたらかんたら

 

 

 

とかよくわからんことを言っていましたがかっこよけりゃなんでもいいと思っていたので即決でした。

 

 

 

「これください」

 

 

 

店員にそう告げると伯母はその商品の値札を確認し他の客も構わず

 

 

 

伯母「3万!!あんた何言ってんの!!バカじゃないの!!すいませんこの子まだ中3でものの価値がわかってないんです〜」

 

 

 

と全力のゴール際のストップをかけてきました。

 

 

 

普段自己主張はあまりしませんが、なぜかこのときは頑なに買うと決め、根負けした伯母は購入を許してくれました。

 

 

 

それがわたしの服に目覚めるきっかけでした。

 

 

 

そして大学に入り、近所の古着屋に通い古着にはまって古着を買いあさり、休みの日は上京してセレクトショップを回って服を買い漁っていました。

 

 

 

バイト代のすべてを服代に費やし、社会人になった今よりも服にお金をつかっていました。

 

 

 

その時買った古着の数着は7年ほど経った今でも宝物として大切に着用しています。

 

 

 

所持している服をみるとそのとき買ったときの思い出が一瞬でフラッシュバックします。

 

 

 

やっぱり自分で時間をかけて歩き回って労力をかけて手に入れた服ってのは愛着が湧くものですね。

 

 

 

それが一点ものの古着ならなおさらです。

 

 

 

大学生の頃は服にお金をかけていたこともあり、幸いにもオシャレなイメージを周囲に持たれていました。

 

 

 

しかし、社会人になると私服を着る機会は激減し、皆職場では周りから外れないようにと通り一辺倒の格好をします。

 

 

 

しかし、社会人が唯一仕事服を脱ぎ捨て、私服に身をまとい個性を表現する場があります。それが

 

 

 

 

 

飲み会

 

 

 

 

 

わたしはクソほど会社の飲み会が嫌いですが、ほぼ強制参加なので行かざるを得ません。

 

 

 

普段は仕事も全くできず、職場の人間と上手くコミュニケーションを取れないですが、そこはおしゃれに定評のあるわたし

 

 

 

もしかしたら職場のみんながわたしの服装をみて

 

 

 

 

なに、ポンチョマンめっちゃオシャレじゃん!!

 

 

 

 

と見直してくれるかな・・

 

 

 

 

と淡い期待を抱いていました。

 

 

 

 

そして飲み会当日、わたしはその時点で出来うる一番おしゃれな格好でのぞみました。

 

 

 

 

ネイビーのsupremeのTシャツに赤のホワイトハーツのビーズネックレスを合わせ、タイトなブラックジーンズに足元はサンダルで外すという出で立ちでした。

 

 

 

 

これ完璧だろ・・・

 

 

 

 

出発前、姿見で最後にコーディネイトチェックしたわたしは自分の服装に見とれていました。

 

 

 

 

席に付き、服装を褒められるのを今か今かと待ちわびていました。

 

 

 

すると向かいに座っていた一つ上の女の先輩(ちょいギャル系ノリがうざい)が口を開きました。

 

 

 

 

お!最初にオレの服装を褒めんのかお前か女!!どうだ聞かせてみろ!

 

 

 

 

と褒められる前提で耳を傾けました。

 

 

 

 

女「ポンチョマンなにそのネックレスwwTシャツの色と全然あってないよwww」

 

 

 

女「もうちょっととさー、ポンチョマンもAさん(一つ上のイケメン先輩。仕事できる。自分が主人公感出してスカシまくるので嫌い)の服装見習ったほうがいいよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは愕然としました。

 

 

 

Aさんの服装をみる。

 

 

 

胸元が空いたカットソーにシルバーネックレスを合わせ、中学生が履いてそうな何分丈だよと突っ込みたくなるよくわからないパンツをはいていました。

 

 

 

 

 

 

いやだせー!!

 

 

 

 

 

 

Aさんもまんざらじゃなさそうにふふっと笑っていました。

 

 

 

 

 

 

 

心理学用語で

 

 

 

 

 

“ハロー効果”

 

 

 

 

というものがあります。

 

 

 

 

ハロー効果とは、何か一つその人に秀でたものがあればその他の能力に置いても突出した能力を持っているもではないかと錯覚する現象です。認知バイアス現象の一つですね。

 

 

 

今回の場合Aさんはルックス、仕事の能力に置いて突出しているのでこんな中房のような格好をしていても、女が(Aさんなのだからファッションがオシャレに間違いない!)と認知の歪みが生じているわけですね。

 

 

 

 

対してわたしはルックスは悪く、仕事も出来ない、コミュニケーションも下手なので大学時代オシャレに定評のあったにも関わらず、ファッションに置いてもダサいに違いないという烙印を押されてしまったわけですね。

 

 

 

 

そんな言葉ないですがわたしはこれをハロー効果に対して

 

 

 

 

 

 

 

“グッバイ効果”

 

 

 

 

 

 

と呼んでいます。

 

 

 

 

もうしんどい、人生からグッバイしたいから取られた説が有力ですが諸説あります。

 

 

 

 

その後の記憶はほとんどありません。

 

 

 

 

気がつけばわたしは帰りの電車の中でした。

 

 

 

 

唯一自己肯定できるフィールドを否定された・・・

 

 

 

 

その事実を受け入れられず失意の中うなだれていました。

 

 

 

 

 

オレはダサくない

 

 

 

オレはダサくない

 

 

 

 

頭を抱え、そう自己暗示することで自我を保っていました。 

 

 

 

 

フラフラになりながら自宅の玄関のドアを開くと、姿見に自分の姿が映り込む。

 

 

 

 

 

立ち止まり今一度自分のファッションを確認する。 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん、Tシャツの色とネックレスの色の合わせ方があれだな

 

 

 

 

 

グッバイわたしのプライド。